ADHDとASDの混合型に向いている仕事はある?適職7選を紹介

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発達障害者の中には、ADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)が併発している混合型の人もいます。ADHDとASDを併発している混合型の人の中には、働くことについてこのような悩みを抱えている方もいると思います。

一生懸命仕事をしてるけど、何をやってもうまくいかない…

自分に合う適職なんて本当にあるの?

もう失敗したくない!
自分に合う仕事と合わない仕事を始めから知っておきたい!

自分に合う仕事がなかなか見つからず、つらい思いをし続けるのは苦しいですよね。

ですが、ASD傾向のある人たちの中でも適職に就いている人はいます。筆者である私もADHDに加えてASD傾向はありますが、一般雇用を経て障害者雇用で約4年勤務し、現在はふたたび一般雇用で安定して働いています。

ポイントさえ押さえれば長く働ける仕事は見つかります。

しかし、もし自分に合う仕事がわからないまま、短期的な転退職を繰り返して職歴を積み重ねてしまうことになれば、先々、就職活動で不利になり、やがて「どこにも就職できなくなった…」といったことにもなりかねません。

そのような事態にならないために、この記事では、ADHDとASDを併発している人に向いている仕事・向いていない仕事を紹介し、ミスマッチを減らすお手伝いをします。

この記事でわかること
  • ADHDとASDを併発している混合型に向いている適職向いていない仕事
  • 仕事で成功するための対処法
好きなところから読めます

ADHDとASDを併発している混合型に向いている適職・向いていない仕事

この章では、ADHDとASDを併発している混合型に向いている適職と向いていない仕事の一覧を公開します。

ADHDとASDの混合型に向いている適職
  • プログラマー
  • テスター
  • 校正校閲
  • 事務職(業務内容による)
  • ブロガー
  • 作家(同人・アーティスト)
  • デザイナー/Webデザイナー(障害者雇用・作業所)
ADHDとASDの混合型に向いていない仕事
  • 営業
  • 販売
  • SE
  • コンサルタント
  • その他総合職
  • 事務職(業務内容による)
  • 商業作家
  • ライター
  • デザイナー/Webデザイナー(一般枠)
  • 起業

ADHDとASDを併発している混合型の発達障害の適職について

この章では、ADHDとASDを併発している混合型の発達障害の適職についてわかりやすく解説します。

ADHDとASDの混合型に適職はあるのか

発達障害には、主にADHD・ASDがありますが、中にはADHDとASDを併発させている混合型の人もいます。ADHDに向いている仕事、ASDに向いている仕事がそれぞれ紹介されることはよくありますが、両者を併発させている混合型の人に対する適職の紹介はあまり多くありません。

それではADHDとASDの混合型の人は働くことが難しいということなのでしょうか?

当サイトではそんなことはないと主張します。

実際に、ADHDでASDの両方の傾向を持つ人が、自分に向いた仕事に就いて活躍しているケースが筆者の身近に実例としてあるからです。

障害名で適職が確定するわけではない

ここで1つ注意です。

「ADHDだからデザイナーに向いている」
「ADHDだから経理や会計、事務には向いていない」

「ASDだからプログラマーに向いている」
「ASDだからコミュニケーションのある仕事には向いていない」

このように思い込んでいる人はいませんか?

ADHDやASDでも、個々の障害特性によって仕事の向き不向きは変わります。

一般的に正確性を要する仕事が向いていないとされているADHDの人でも、ミスなく正確に仕事をこなし、事務員や公認会計士、エンジニアとして活躍している人は実在します。

逆に一般的にADHDに向いていると言われるデザイナーは、実は業務の範囲が幅広くマルチタスクの塊で、納期厳守の厳しい仕事です。実際には業務をこなすことが難しい人も多いでしょう。

またASDでも顧客折衝の多いSE(PMクラス)やコンサルタントとして活躍している人もいますし、コミュニケーションが業務の主体であるテレオペとして働いている人もいます。

障害名だけで必ずしも自分の適職が決まるわけではないこと、一般的にその障害に向いている/向いていないとされている仕事が必ずしも当てはまるわけではないということは念頭に置いて、この記事を参考にしてください。

ADHDとASDを併発している混合型に向いている適職7選

この章では、ADHDとASDを併発している混合型に一般的に向いている適職を7選紹介します。

ADHDとASDを併発している混合型に向いている適職7選

ADHDとASDを併発している混合型に向いている適職は以下7つです。

ADHDとASDの混合型に向いている適職
  • プログラマー
  • テスター
  • 校正・校閲
  • 事務職(業務内容による)
  • ブロガー
  • 作家(同人・アーティスト)
  • デザイナー/Webデザイナー(障害者雇用・作業所)

ADHDとASDを併発している混合型に向いている適職の背景

ADHDとASDを併発している混合型の人たちは、一般的に集中力の問題や社交性の困難さにぶつかります。例えば、会話の流れを追いきれず、適切なタイミングで発言するのが難しかったり、グループ活動や新しい環境への適応にも困難を感じるといった風にです。ですがADHDとASDを併発している人の特性は、特定の職業において逆に利点となることがあります。

・プログラマー・テスター

プログラマーやテスターは、細部への高い注意力と、反復的なタスクへの耐性が必要とされます。これらは、ADHDとASDを併発している人たちがしばしば持っている特性で、プログラマーやテスターの業務に活かせる可能性があります。

・校正・校閲

校正や校閲のような職業は、高い集中力と詳細への注意が求められます。これらの特性は、ASDとADHDの混合型の特性と一致しています。

・事務職(業務内容による)

事務職の一部は、ルーチンワークが多く、ADHDとASDを持つ人々にとっては安定感を与え、職場への定着率を上げる傾向があります。

・ブロガー・作家(同人・アーティスト)・デザイナー/Webデザイナー(障害者雇用・作業所)

ブロガーや作家のような創造的な職業は、ADHDとASDを併発している人たちにとても適しています。ADHDとASDの混合型の人たちは、斬新な視点から物事を見る能力を持っている人も多く、それが鮮やかでユニークなコンテンツを生み出すのに役立つことがあります。これらの職業は、自分のペースで働くことができ、自己表現の自由度が高いため、ADHDとASDを併発している人たちにとって魅力的な選択肢となるでしょう。

また、障害者雇用や作業所でのデザイン業務は、複雑なディレクションや顧客折衝などがなく、デザイン作業だけに集中できることが多いので、ADHDとASDの混合型に向いているとも言えます。

ADHDとASDを併発している混合型に向いていない仕事

この章では、ADHDとASDを併発している混合型に一般的に向いていない仕事について解説します。

ADHDとASDを併発している混合型に向いていない仕事

ADHDとASDの混合型に向いていない仕事
  • 営業
  • 販売
  • SE
  • コンサルタント
  • その他総合職
  • 事務職(業務内容による)
  • 商業作家
  • ライター
  • デザイナー/Webデザイナー(一般枠)
  • 起業

・対人折衝の多い業務、スケジュールや予算、経理などの事務業務・体調管理等を自分で行い納期を厳守する、マルチタスクが必須な業務は向いていないと言えます。

向いている適職と向いていない仕事の両方に事務職が入っている理由

・事務職には多種多様な業務内容がある

ひと言で事務職と言っても、業務内容は多岐に渡り、発達障害でも個々の特性によって合う業務・合わない業務が存在します。

  • 名刺の作成や紙の書類のPDF変換・会議室の掃除などを担当する庶務、総務
  • 申込書や見積書などの処理を行うルーティンワークを行う入力事務(電話応対がないことが多い)
  • スケジュール調整や社内の人事労務に関わる集計などを行う人事事務
  • 細かい金銭関係を取り扱う経理事務
  • 対人折衝が多く臨機応変な対応が必要な営業事務

このように一例を挙げるだけでも様々です。

ADHDとASDを併発している人に営業事務は向きませんが、庶務・総務の事務や、入力事務は適している可能性があります。

「事務職だから合わない」「事務職だから合っている」と2択で考えずに、求人票を見て、事務でもどのような業務内容なのか、自分の特性に合うものなのかよく調べておくと良いでしょう。

ADHDとASDを併発している混合型が抱える仕事上の課題

この章では、ADHDとASDの混合型が抱える仕事上の課題を解説します。

コミュニケーションの困難さ

ADHDとASDの併発型の発達障害を持つ人たちは、職場でのコミュニケーションに苦労することが多いです。

ADHDの特性としての注意力の散漫さや行動の不統一性もあり、一つの話題に集中し続けることが難しく、会話が断片的になりやすいです。さらに、ASDの特徴である特定の興味や話題に固執しやすい傾向があり、他人との会話内容のバランスを取るのが難しい場合もあります。

これらの問題は、仕事場でのチームワークに影響を与える可能性があります。また、コミュニケーションの困難さは、他の従業員との人間関係を損なう可能性もあります。

注意力と集中力の問題

ADHDとASDを併発している人たちが抱えるもう一つの大きな課題は、注意力と集中力です。注意力や集中力の欠如は、情報の処理に影響を及ぼし、特に職場での作業効率に大きな障壁となります。

ADHDの特性として、短時間で多くの仕事をこなす力がありますが、注意が散漫になりやすいため、長時間同じ作業に取り組むことが難しくなります。また、ASDの人は詳細へのこだわりから、必要以上に時間をかけてしまう傾向があります。

これらの特性が合わさると、仕事の効率性と品質に影響を及ぼす可能性があります。

ADHDとASDを併発している混合型が仕事で活躍するために必要な条件

この章では、どのような条件があればADHDとASDを併発している混合型でも仕事がこなせるのかを解説します。

適切な自己理解

ADHDとASDを併発していて、仕事が合わなくて困っている人に共通しているのは、適切な自己理解の不足です。

  • どんな環境なら自分に向いているのか
  • どんな仕事なら自分に向いているのか
  • どんなタスクなら自分が上手にこなせるのか

これらを理解することで、自分自身の振る舞いや特性について客観的な自覚を持ち、能力を活かすことが可能になります。

また、適切な自己理解は理想的な仕事環境を見つける手助けとなります。例えば、ASDの特性として、周りが気になるなどの特性がある場合、パーテーションのある職場を選ぶといった風にです。

適切な支援と配慮

ADHDとASDの併発者が仕事場で成功するためには、適切な支援と配慮が欠かせません。これは、上司や同僚からの理解と協力、また、職場の環境調整が必要ということを意味します。

周囲の理解と協力

ADHDとASDの特性についての理解を深め、その人が持つ強みを活かし、困難を軽減するために必要な支援を提供することが重要です。

具体的には、仕事の優先順位を明確に指示したり、一度に一つのタスクに集中できるような環境を作るなどが考えられます。

職場の環境調整

ADHDとASDの混合型は、過度の騒音や視覚的な刺激に敏感である場合があります。そのため、静かな作業環境を提供したり、不要な視覚的な刺激を減らすなどの配慮が必要です。

以上のような適切な自己理解と支援と配慮により、ADHDとASDの併発者でも仕事がこなせる環境を作ることが可能です。

ADHDとASDを併発している混合型が仕事で成功するための対処法

この章では、ADHDとASDを併発している混合型が仕事で成功するための対処法についてわかりやすく解説します。

自己理解を深める

ADHDとASDを併発している人が仕事で成功するための第一歩は自己理解です。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)とASD(自閉症スペクトラム障害)は、個々の特性や能力、困難さを理解し、それに対応する方法を見つけることが求められます。

ADHDでは注意力の散漫や衝動性、ASDではコミュニケーションの難しさや特定の興味への過度な没頭といった特徴があるため、これらを理解し自己認識することは非常に重要です。

自己理解には、自分の強みや弱み、興味や適性を把握することが含まれます。

例えば、ADHDの人は多動性を活かして物理的な仕事に適しているかもしれませんし、ASDの人は細部へのこだわりを活かしてデータ分析やリサーチに適しているかもしれません。また、自分がストレスを感じやすい状況や、集中力を保つために必要な環境を理解することも大切です。

自己理解を深めるためには、専門家の意見を求める、自分の行動や感情を記録する、フィードバックを積極的に受け入れるなどの方法があります。

これらの方法を通じて自己理解を高めることで、自分自身をよりよくコントロールし、適切な対策を講じることが可能となります。これが仕事で成功するための大切なステップとなります。

周囲に対して理解と協力を求める

ADHDとASDを併発している人が仕事で成功するためには、自身の状況を周囲に理解してもらい、必要に応じた協力を得ることが重要です。

まず、自分自身がADHDとASDの特性を理解し、それが仕事上でどのような影響を及ぼすかを把握することから始めましょう。その上で、周囲の人々に対して自分の特性とそれによる課題を説明し、理解を求めることが必要です。

例えば、一つの作業に集中するのが難しい、または、独特の繰り返しパターンに固執する傾向があるといった特性を伝えることで、周囲も協力的になるでしょう。

また、具体的な協力を求める際には、自分がどのようなサポートを必要とするかを明確に伝えることが大切です。例えば、締め切りのリマインダーや作業の進捗状況の確認など、一緒に働く人々に対する具体的な要望を伝えましょう。これにより、周囲の人々は具体的にどのように協力すれば良いかを理解しやすくなります。

また、積極的にコミュニケーションを取り、自分の状況や感じている困難を率直に伝えることで、理解と協力をより深めることができます。

困ったらプロに相談する

在職者なら転職エージェントへの相談がおすすめ

ADHDとASDを併発している在職者にとって、適職を見つけることは困難を伴うかもしれません。そんな中、障害者専用の転職エージェントへの相談は特におすすめの対処法です。

障害者専用の転職エージェントは、あなたが抱える困難を理解し、適職を探す手助けをしてくれます。また、エージェントは職場環境や職種についての豊富な知見を持っているため、あなたのスキルや能力、そしてADHDとASDを併発している混合型の特性を理解した上で、最適な仕事を見つけるためのアドバイスをしてくれます。

更に、エージェントはあなたの職歴やスキルを評価し、適切な職種を提案するだけでなく、面接の準備や履歴書の作成、さらには面接時の対応方法など、転職活動全般のサポートも行います。これにより、ADHDとASDの症状が強く出る場面でも、エージェントのアドバイスによりうまく対処することが可能になります。

ただし、障害者専用と言えども、転職エージェントを選ぶ際は、一人ひとりの個々のニーズに対応できるエージェントを選ぶことが重要です。そのためには、エージェントがADHDやASDを併発している混合型に理解を示し、個々の求職者に対して適切なサポートを提供できるかどうかを確認することが必要です。

そのようなエージェントと連携すれば、あなたは自分の能力を最大限に活かす仕事を見つけることができ、成功への道を歩み始めることができるでしょう。

現在無職なら就労移行支援がおすすめ

ADHDとASDの併発型の発達障害を持つ人にとって、自分に合う適職を見つけることは容易なことではありません。

そこで、現在無職で次の一歩を踏み出すのに迷っている方におすすめなのが、就労移行支援です。

就労移行支援とは、障害者の就労を支援するためのサービスで、職業訓練や職場体験を通じて、個々の障害に対応した就労スキルを獲得する支援機関です。また、専門のコーディネーターが一人ひとりの能力や希望に応じた職種を提案し、具体的な就労を見つけるサポートをします。

就労移行支援での支援を受けることで、ADHDとASDを併発している混合型の人でも、自分の能力を最大限に活かすことができる職場を見つけることが可能になります。

また、職場でのコミュニケーションスキルや、集中力を維持するための工夫を学ぶこともできます。これらのスキルは、就労後も役立つものですので、自信を持って働く一歩を踏み出してみてください。

まとめ

ADHDとASDを併発している混合型の人でも、適職を見つけることは決して不可能ではないという結論に至りました。

記事の中で触れたように、ADHDとASDの混合型の人たちは、大きな課題を抱えているかもしれませんが、すべての職場で上手くいかない事を示しているのではありません。

それぞれの特性に合った適職を見つけるためには、自己理解と自分の能力を最大限に引き出す工夫が重要です。

それは実際に可能なことであり、ADHDとASDの混合型でも達成している人はいます。彼らは自分自身の強みと弱みを冷静に理解し、それを活用して自分に最適な職業を見つけ、成功を収めています。

この記事を通じて、ADHDとASDを併発している混合型の人たちが、自分自身や他者の能力を理解し、適職を見つけるための一助となれば幸いです。

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