恋愛の機会があっても相手の気持ちが理解できず疎遠になってしまう…
恋愛感情ってどんなものなの?
いい年した大人なのにわからない。
自分も恋愛感情を知ってみんなのように恋人が作りたい!
このように感じているアスペルガー(ASD)の人もいるのではないでしょうか。
筆者はADHD当事者ですが、一般的に誰もが持っている普遍的な「恋愛感情」というものが自分にだけよくわからない…
そのような状況はなんだか疎外感があるのではないかと想像します。
ただ、筆者としては、恋愛感情がわからないと感じるアスペルガーの人の中には、決してそうではない人もいるのではないかと考えます。今まで1人でいることを好んだり、他のものへの興味が強かったため、恋愛というものの存在が気になるようになったのが人より遅かっただけというケースもあるのではないでしょうか。
また、恋愛感情がわからないとしても、それは個性であり、駄目だというわけではありません。
いまになって恋愛に興味を持てるようになったのは、関わる社会が広がり、アスペルガーであるあなたが成長している証です。
この記事では、恋愛感情がわからないと感じるアスペルガーの人が、恋愛感情を理解し、パートナーを作るための道筋がわかるようになっています。
- アスペルガーが恋愛感情がわからないと感じても大丈夫な理由
- 恋愛感情がわからないと感じるアスペルガーが変わるための道筋
アスペルガーが恋愛感情がわからないと感じても大丈夫な理由
この章では、アスペルガー(ASD)の人が恋愛感情がわからないと感じても大丈夫である理由についてわかりやすく解説します。
1人でいることが好きなのは悪いことではない
アスペルガーの人たちは、一般的に社会的な交流が難しい傾向があります。1人でいることを好み、自分自身の時間と空間を大切にします。
「恋愛感情がわからない」と感じるアスペルガーの人がいるのは、この1人でいることを好む特性から理解することができます。
恋愛は、他人との深い結びつきを必要とします。
恋愛では、互いの間に流れる空気を読み取り、相手の感情や意図を理解し、自身の感情を適切に表現する能力が求められます。これらの要素は、アスペルガーの人たちにとっては特に困難です。
また、恋愛関係はコミュニケーションの頻度が高く、深度も深いため、アスペルガーの人たちにとってはストレスになることもあります。
一方で、1人でいる時間は自分自身と向き合う時間であり、安心感を与えます。このような理由から、アスペルガーの人たちは恋愛感情について理解するのが難しいと感じ、1人でいたほうが楽だと感じてしまうのです。
そのためアスペルガーの人が恋愛に疎くなってしまい、人より恋愛が遅くなってしまうのは当然のこととも言えます。
空気や言葉の行間・裏を読むことが苦手なのは特性
アスペルガーの人たちは、一般的には空気を読む、つまり状況や他人の態度から暗黙の意味を理解することが苦手です。このため、感情的なニュアンスや微妙な表現を多く含む恋愛の場では、相手の感情や意図を理解するのが困難になる可能性があります。
また、直接的でないコミュニケーション、言葉の行間を読むことも、アスペルガーの人にとっては難しい場合が多いです。例えば、パートナーが「ちょっと寒いね」と言ったとき、これがただの天気の話題なのか、それとも「ジャケットを貸してほしい」という隠れた要求なのかを見抜くことが難しいのです。(人の会話に正解はないので必ずしも読み取れないことがおかしいというわけではありません)
これらの理由から、「アスペルガーは恋愛感情がわからない」と感じることがあります。ですが、これは決してアスペルガーの人が感情を持たないというわけではありません。自分の感情を理解し、表現するのが難しいだけで、愛情を感じる能力自体が欠けているわけではないのです。
恋愛感情がわからないと感じるアスペルガーが変わるには
この章では、恋愛感情がわからないと感じるアスペルガーの人が、恋愛感情を理解し変わるための工夫を順を追ってわかりやすく解説します。
まずは形から入る
恋愛は、感情だけでなく、行動からでも始まります。
アスペルガーの人の中には、社交辞令を形から覚えた経験がある人もいるでしょう。恋愛においても形から入ることができます。
昔はお見合い制度がありましたよね。
形から入る恋愛の最たるものだと思います。
まずは形から入り、恋愛感情を理解する土台を作り、徐々に慣れていく方法を試してみましょう。
異性(または恋愛したい対象)が興味を持てる趣味へと幅を広げてみよう
アスペルガーの人が恋愛感情を理解するためのおすすめの方法は、異性(または恋愛したい対象)が関心を持つような趣味を始めることです。
例えば…
- 鉄道写真が好き→風景写真に興味の幅を広げてみる
- アニメが好き→映画や音楽・デザインにも興味の幅を広げてみる
- ファッションに興味を持つ
また、他人と趣味を共有することは、共感的なつながりを作り出すだけでなく、個々の興味や熱意を通じて自己表現の機会も作ります。これは、アスペルガーの人が自分自身の感情を理解し、他人に伝えるための重要な手段となります。
ですが、重要なのは、ただ単に異性と盛り上がりやすいような趣味を追求するだけでなく、自分自身がその活動を楽しむかどうかを確認することです。これは、自己啓発と自己理解を支えることになり、恋愛感情の理解に役立ちます。
最終的に、アスペルガーの人が恋愛感情を理解し、パートナーを作っていくためには、共感、理解、そして自己表現の能力を育てることが重要であると言えるでしょう。
SNSや当事者会などでポジティブな発信をして交流してみよう
アスペルガーで恋愛感情がわからないと感じる場合、恋愛の初めの一歩としてパートナーをいきなり探すのは難しいかもしれません。前段階の手段として、SNSや当事者会などで積極的にコミュニケーションを取ることもお勧めします。
また、当事者会は発達障害を持つ人たちが集まり、共通の悩みや問題を共有し、解決策を見つける場です。当事者会での経験や知識を共有することで、自分自身の問題に対する解決策を見つけることができるかもしれません。
SNSや当事者会を通じて新しい人々と出会うことで、恋愛への新しい視点を得ることができます。今は恋愛感情がわからないと感じても、自分の感情を理解し、パートナーとの関係を築くための一歩を踏み出すことができます。
このプロセスは一夜にして成功するものではなく、時間と努力を必要とするものです。ですが、積み重ねた努力が自分自身の感情を理解し、恋愛関係を築くための重要な一歩とななっていくでしょう。
色々な異性(または恋愛したい対象)の良いところを1つ以上見つけてみよう
アスペルガーで恋愛感情がわからないというのは、他人の気持ちを理解し、自分の感情を適切に表現することが難しいという特性があるためです。
ですが、これは決してパートナーを作ることが不可能であることを意味するものではありません。むしろ、独自の視点から恋愛を理解し、パートナーシップを築くための新しい手法を見つける機会になるとも言えます。
具体的には、まず色々な異性の良いところを1つ以上見つけてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
これは、他人に興味を持ち、他人の魅力を認識するための第一歩となります。異性の外見や性格、才能やスキルなど、どんな小さなことでも構いません。この練習は、他人の価値を認識し、それに対する感情を理解するための基礎を作ります。
日ごろから様々な異性の良いところを見つける努力を積み重ねておくことで、良い人に巡り合えたタイミングで恋愛感情を理解できるかもしれません。
恋愛感情がわからないアスペルガーがパートナーを作るために
この章では、恋愛感情がわからないアスペルガーの人がパートナーを作るための提案をわかりやすく解説します。
恋愛を始めやすい場で理解のあるパートナーを探してみる
恋愛感情がわからないと感じるアスペルガーの人にとって恋愛というものがわかりやすいように、形から入ることができるおすすめのパートナーの探し方を紹介します。
マッチングアプリを始めてみる
アスペルガーで恋愛感情がわからないと感じる人の場合、マッチングアプリを利用することは有効な手段の一つとなります。マッチングアプリでは、自分のペースでコミュニケーションを取ることができるため、直接的な対面のコミュニケーションが得意でないアスペルガーの人にとっては理想的な環境と言えるでしょう。
また、自己紹介の段階で自分の特性を伝えることが可能なため、理解のあるパートナーを見つけやすいという利点もあります。アスペルガーで恋愛感情がわからないという場合でも、あらかじめ自己紹介で自分の特性を理解してもらえれば、無理なく自分らしくコミュニケーションを取ることができる可能性があります。
今は障害者用のコミュニティを用意している大手アプリや、障害者用のマッチングアプリもあるため、自分と相性の良いパートナーを見つけるチャンスも広がっています。
このように、マッチングアプリはアスペルガーで恋愛感情がわからないという人の場合でも、理解のあるパートナーを見つけやすい場となり得ます。
婚活・恋活パーティに出てみる
アスペルガーで恋愛感情がわからないという人でも、婚活や恋活パーティに参加することで新たな出会いを見つけることが可能です。婚活や恋活パーティでは、多くの人々と直接対話する機会が提供され、自身の恋愛感情というものを探求する場にすることができます。
ただし、婚活や恋活パーティのような場所では大勢の人と次々対話する必要があります。これが苦手な人は、事前に自己紹介文を準備したり、友人に同行してもらうなどの工夫をすると良いでしょう。
また、最近では、障害者用の婚活や恋活パーティが開催されています。障害に理解のある場でなら、参加者一人ひとりのペースや特性を尊重し、恋愛感情を育むためのサポートを提供してもらえる可能性があります。
このような場をぜひ活用して自身の恋愛感情を芽生えさせるきっかけを作ってみましょう。
結婚相談所に登録してみる
収入が安定していて将来的に結婚を考えている人なら、結婚相談所に登録してみることも一つの良い方法でしょう。
結婚相談所では、プロのカウンセラーやアドバイザーがあなたの性格や希望を理解して、適切なパートナーを提案してくれます。
また、結婚相談所には多様な背景を持つ人たちが登録しています。その中には障害を理解し、忍耐強く対応できるパートナーもいるかもしれません。自分から積極的に恋愛を始めるのが難しいと感じる場合でも、結婚相談所の専門家がマッチングをサポートしてくれるため、無理なく恋愛を始めることができる可能性があります。
さらに、結婚相談所では一対一でのカウンセリングを受けることができるため、アスペルガー特有のコミュニケーションの困難さをカバーすることも可能です。カウンセラーはあなたの気持ちを理解し、それをパートナーに伝えるためのアドバイスを提供してくれます。
このように、結婚相談所も、理解のあるパートナーとの出会いをサポートするための良い手段となります。
まとめ
恋愛感情がわからないと感じるアスペルガーの人でも、徐々に恋愛感情を理解することは可能です。
恋愛感情を理解したい方は少しずつでも良いので前進していきましょう。
- アスペルガーの特性上、恋愛感情がわからないと感じて恋愛が遅れるのは不自然なことではない
- 社交辞令を覚えることと同様に、恋愛においても形から入ることを提案
- マッチングアプリ、婚活・恋活パーティ、結婚相談所が恋愛を始めやすくおすすめ